Steve Reich 2012 [ DRUMMING ]

すっかり忘れていました。
僕がどれだけライヒに影響を受けたか…。

今回も友人のwatoのチケットが余ったということで行けることになったライヒのコンサート。

まさか、こんなにも素晴らしく、こんなにも深いとは。

ということで、行ってきました。Steve Reich コンサート 2012 [ DRUMMING ]

ライヒの音楽にはいくつかの系譜があるが、
今回はまさにライヒらしいミニマルな打楽器(打撃系のマリンバやグロッケンシュピールも含む)による構築系アンサンブル。

まぁ、そう難しく言うと一瞬気が引けるけど、
そんなことはありません。

理論上はとても複雑でも、彼の音楽はとても分かりやすく、
実際に聞いているとその経過の美しさに進化を感じます。

さらに、しっかりと音楽的な展開から、明確に盛り上がり、いわゆる美しい調和を見せてくれるのです。

だからきっとライヒはテクノやDJなどデジタル世代の音楽好きにも愛されるのでしょう。
当日の会場には若い子を含め、知り合いも多く、注目度の高さが伺えました。

彼の音楽の特徴として重要なのは『繰り返すこと』
ただし、繰り返すたびに「ほんの少しの変化」を加えます。

ある一つの主題(テーマやメロディ)を第一奏者が繰り返し、
同じものを一拍以上ずらして演奏をする。輪唱やカノンと言われる手法だが、
これが第三奏者、第四奏者と重なり合うことで複雑なメロディやリズムが形成されて行く。

さらにそれはとても数学的で、建築物のように徐々に構築されて行き、
聞いている側は、その構築を明確に垣間みることが出来、さらにその経過も美しい。

最終演目であり、今回のメインである『ドラミング』はそれが約1時間続く。
混沌に行きかけては秩序を覚え、秩序は変化により進化する、そしてそれらを繰り返すが、
同じことは二度とおこらない。

中でも感動したのはマリンバの音色だ。

今回の会場となったタケミツ・メモリアル・コンサートホールは形状の美しさは言うまでもなく、
この響きが素晴らしかった。

まぁ、僕は言う程『音の質』に耳が良い訳ではないけどねw

重なり合うマリンバの音色はぶつかり合い、倍音を増長させて行く。
その倍音は弾いてもいないメロディーを会場中に鳴り響かせる。
さらにそのメロディーを美しい声がなぞるんだけど、
その瞬間の美しさと言ったら、比べるものが無いほどだ。

なんとこの [ DRUMMING ]の初演は1971年。
40年以上も前にこの演奏がされているのだからさらに驚く。
会場はニューヨーク近代美術館。

美術館に所蔵したくなる程美しい。
これぞ、音楽が芸術であるという当たり前のことを思い出させてくれる。

僕は聞く音楽も好きだ。
だけど、本当は考える音楽が好きなんだ。
いや、音楽について考えることが好きなのか。

まぁ、どっちでもいいけど、
心からの刺激を与えてくれたSteve Reichという音楽家を僕はこれからも尊敬する。

僕とゆうじの後ろに本物のSteve Reichは鎮座し、
どのお客さんのスタンディングオベーションよりも前に、彼は席を立ち、演奏者に惜しみない拍手を送っていたのが、
印象的だったな。

なにしろ、演奏者たちは僕なんかよりも彼を尊敬し、
聞いているよりも数倍難しい演奏を、過去の演奏と比較されながらやらねばならない。

しかし、きっと過去最高の演奏をしたのだろう。

これだけの感動を与えたのだから。

誘ってくれたwato、本当にありがとう。

やはり音楽は素晴らしく、何事にも代え難い。

Steve Reich 2012 [ DRUMMING ]」への4件のフィードバック

  1. あはは、すごい久しぶりにこの映像見たらまた感動しましたわ。
    いやぁ、お久しぶりです!m(_ _)m

  2. これは凄い! 凄過ぎw  お久しぶりです  m(_ _)m

  3. youtubeもそうだけど、ネットが普及してからは色々な音楽も映像も見れて、
    僕らみたいな音楽も世界中で誰かが聞いてくれるのがいいね。

    こうやってハワイに居るよっしーからの便りも見れるしね。

    コメントはともかく、最近はここにあまり書いてないけど、
    blogって書く時はとても気持ちがいい。

    FacebookやTwitterほど、誰かに見てほしいわけでもなく、
    でも誰かが見ている緊張感の中で書くのが気持ちいいのかなぁ。

  4. joeさんのDJでライヒ知りました。 ありがとう。 
    コンサートものすごい善さそう。 しかも 後ろに本人がいて 同じ空気吸っちゃったの??
    すごい。

    すごいって joeさんもyoutubeで15000回ぐらい見られてるね。世界にファンがいるんだね。すごい。no.9が 自分の友達って嬉しいね。プラウド〜。

    でも、きっとファンはシャイな人が多いから ブログコメントはうちらしかいないね。笑

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