Penguin Cafe LIVE

明日はライブだというのに練習を終えた今、どうしても書きたい衝動に駆られている。

本当に良い音楽を聴いた。
2012年10月6日。

Penguin cafe LIVE @ 六本木ヒルズ アリーナ

心地よい秋の気候とビルの狭間という東京感まるだしのその空間は、
僕にとってこれ以上この音楽を聴くのにふさわしい場所は無いと思えるほど異様な程マッチしていた。

Penguin cafeの前にSalyu×Salyuのライブがあったのだけど、
それはここでは省かせてもらいます。

何しろ僕にとってのPenguin cafeは当然Penguin cafe orchestraの時代より特別な音楽なのである。

Penguin cafe orchestraは1976年ブライアン・イーノのレーベルからリリースしている。
もちろん、そんなことはあとになって知るのだが、
僕が彼らの音楽に出会ったのは [ TALK RADIO ]という正直内容など全く覚えてもいない映画を見終わったあとのエンディングに、
彼らの音楽「Telephone And Rubber Band」という電話の音をサンプリングしてリズムループした曲が流れて来たときだった。

たしか当時の僕はサンプリングは知っていたけど、
その良さをよく分かっていない頃だった。
だから電話の音が最高にかっこいい音楽に聞こえたあの時の衝撃は忘れられない。

この曲に出会い、僕は本格的にサンプリングを始めた。
僕の音楽は始まった。

慌ててPenguin cafe orchestraを買い漁ったのは言うまでもないが、
それがまた驚いたことに、僕の知っている前出の曲とCDに入っているPenguin cafe orchestraの曲はまた全然違うものだった。

室内楽とも民族音楽とも前衛音楽とも言える、
素朴なのに深く綿密なネオクラシックのような世界がそこには在った。

Penguin cafe orchestraの音楽は僕に常に新しい世界を見せてくれる。
音楽の楽しさも、綿密な知性も、豊かな表現も、そして、調和を教えてくれる。

2002年、僕らが開催していた野外イベント『蟲の響』で僕はテーマ曲のごとく、彼らの曲 [ Perpetuum mobile ]を流した。
今では最も思い出のある曲となっている。
僕が野外でDJをするのも、きっとこの曲に出会ったからなんだろう。

1997年、Penguin cafe orchestraのリーダー格であるサイモン・ジェフスが亡くなり、
その音楽はついえたと思ったのだが、
息子であるアーサー・ジェフスがPenguin cafeとして再結成し、本日の来日となったのだ。

2011年にPenguin cafeとしての初アルバムをリリース。
正直、期待をしていなかったのだけど(すみません!)、
これがこれがなんとも父の音楽を踏襲しつつも、新しい感性と混じり合ってとても素晴らしい作品なのです。

恐ろしく長い前書きを書いたところで、ひとしきりの衝動が収まってしまったのだけどw、
今回の公演では今書いた僕との歴史の全ての曲を彼らは再演してくれたのです!

Perpetuum mobileも、
衝撃の電話音からTelephone And Rubber Bandまでも!!!
しかも9人程の大編成で。大編成と言っても、ギターやウクレレのような小さなギターや、バイオリン、ビオラ、ダブルベース、パーカッション、ドラム、そしてピアノ。オルガンやギターに持ち直したり、笛を吹いたりと曲によって構成は変わっていたけど、
原曲の音色をそのままに、生で演奏するからとても心地よい。

何しろ、本人たちがとっ〜〜〜〜っても楽しそうだ。
見ているこっちまで楽しくなる。

父の曲を息子が演る。
息子は父よりも若い感性で何ともざっくりと演奏するんだけど、
僕はそれがとても新鮮で気持ちよかった。

秋の夕暮れと共に、
その調和のとれた音楽は僕の心を打ち抜いた。

ありがとう。

今日の音楽は糧として、
僕は明日自分の演奏に込めてみよう。

本当に明日が楽しみだ。

http://www.penguincafe.com/

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